03.03.11

ここ最近、展示の案内などばかりで覚書を放置していた。昨年末に帰国してからずっと走り続けている。その中には自分の容量の悪さが引き金となっていることもある訳だが、それはそれで悪くはない。常に追われている感に、妙なドライブ感を覚える。でも人に迷惑はかけたらいけないなあ、と反省も。


4月からは自身の置かれる立場が少し(がらっと?)変わる。決断を下すのに迷い、そうすることで当然メリット、デメリットはあるが、ひとまずはそこで頑張ってみようと。同時に時折でも何か面白いこと、自分にできることを始めてみようと思っている。何となく構想はあるのだけれど、まだ具体的な形にはなっていない。少し落ち着いたら、じっくりと考え、詰めてみようと思っている。


作品の撮影も同時に行っていきたいけれど、まずは撮りためたイメージ達を形にすることから。これらも展示続きで手つかずになっているので、4月以降徐々に。また何かしらの形で表に出すことができたらと思っている。僕は不器用なので一度に複数のことをこなすことができない。だから一つずつ、地道にでも確実に消化していかなければいけない。

25.02.2011

展示のお知らせ


直前のご案内となってしまいましたが、来週3月1日から6日まで、時折にて写真作品を展示します。


村上将城 写真展
“IB” 不可視な境界 – 鳥居 –


時折 / 愛知県名古屋市名東区宝が丘65-1
2011.3.1|Tue| - 3.6|Sun| 
火 - 土|13:00 - 20:00 日|13:00 - 17:00(展示期間中は定休日が通常と異なります)








この展示は、愛知県立芸術大学 修了制作展のサテライト展示でもあります。本会場の愛知県美術館では東京、大阪、ドイツで展示した"es anschauen"を展示します。こちらも併せてご覧頂けましたら幸いです。


平成22年度 愛知県立芸術大学卒業・修了制作展


愛知県美術館ギャラリー / 愛知県名古屋市東区東桜一丁目13番2号
愛知芸術文化センター8階展示室A-I, 地下2階アートスペースX
2011.3.1|Tue| - 3.6|Sun| 
火 - 日|10:00 - 18:00 金|10:00 - 20:00 (入場は閉館30分前まで)

20.01.11

展示のお知らせ


学生CGコンテスト 受賞作品展で"es anschauen"が展示されます。
スペースの関係で全てのイメージは並びませんが、関東方面の方は是非!


2011年2月2日(水)〜13日(日)
学生CGコンテスト 受賞作品展
国立新美術館文化庁メディア芸術祭と同時開催)

16.01.11

村上将城作品集 / カタログ "es anschauen"を販売致します。


大きい画像をご覧になりたい方はウエブサイトの >newsページにてご覧下さい。






本作品集 / カタログはLeipzig, 東京ニコンサロン, 大阪ニコンサロン, Wolfenにて展示した作品(23の通り、計46点)を収録、限定250部の発行となります。


また六切サイズのデジタル・ピグメントプリント付き限定版を12セット限定(写真4種類、各3セット)で販売します。



販売は直販が中心ですが、私と妻が運営する時折店頭でも販売致します。
国内での取扱いは現在のところphotta-lot(東京)、one on one(名古屋)のみです。数に限りがありますのでご了承下さい。
プリント付限定版は直販、時折店頭での販売となります。

 
購入を希望される方は、
1)お名前
2)部数
3)受取方法(メール便にて発送、若しくは時折にて受取)を info@masakunimurakami.com までご連絡下さい。
※カタログのみの場合は送料80円のご負担をお願いします。プリント付限定版は送料無料です。


ご連絡頂きましたら、折り返し代金の入金先口座をお伝えします。
入金確認後、クロネコメール便にて順次発送します。


※カタログ、プリント付限定版の海外への発送に関しては別途ご案内致します。



"es anschauen" catalog
148mmx210mm | color | 56P / 中綴じ | text : 日本語 / 英語 / ドイツ語


Edition 250
\1,500 | ※エディション、サイン入



"es anschauen" catalog
8"×10" デジタル・ピグメントプリント 2枚組(ペーパー:254mm×203mm、イメージ:224mm×149mm)限定版


1.Chloratstraße / 塩素酸塩通り : 2枚組
2.paradis / 楽園 : 2枚組
3.Straße der Wissenschaft / 学問通り : 2枚組
4.Zementstraße / セメント通 : 2枚組


各写真3セット | 12部限定
各\25,000 | ※エディション、サイン入





よろしくお願い致します。

05.01.11

3日夜、フランス留学時代に出会った親友の訃報が届いた。何が起こったのか理解できず、悪い夢でもみているのだと、これはいたずら好きな彼の、友人達を一同に集めるための冗談なのではないか、いやそうあってほしいと切に願った。


車で東京へ向かったが、徐々に東京へと近付いていくのが怖くて仕方がなかった。斎場に着き、彼の親族、友人達と会い、それは現実であり、夢であってほしいという願いは崩れ去った。棺に入った彼は生前同様、優しい顔をしていた。今すぐむくっと起き上がり、久し振りって言いそうなのに、無言で優しい目で笑いかけてくれそうなのに、触れると信じられない程冷たかった。


彼は大晦日に自分で命を絶ったのだが、式の後に訪れた彼の家の中は以前と全く変わらず、つい前日のレシートも、食料もいつもと変わらず、そのまま残されていた。何故そんなことをしたのか、彼は何もその理由を残さなかったので真相は分からないままだ。でも、フランスから日本へ帰国する際も誰にも伝えず、こっそり一人で帰ろうとしていたのと同様(結局、帰国前日に偶然彼の家を訪れ、その計画がばれてしまい未遂に終わり皆に見送られて彼は帰国したのだが)、それは最後の最後まで彼らしい振る舞いであった。



フランスでは自分のアパートがあるにも関わらず、僕の家に居候のように滞在し、ほぼずっと一緒に過ごした。毎日夜遅くまで色んな話しをして、絵を描いて、写真を撮って、朝はゆっくりと起き、ノスタルジーというラジオから流れる60~70年代の音楽を聴きながら、コーヒーを飲み、一服するのが日課だった。そして仲間達と集まり、よく騒いだ。一緒に過ごした時間は本当に濃く、忘れる事のない思い出となっている。彼からは色々な事を教えてもらい、影響もされた。何より、写真を撮り始めたのは彼がきっかけだ。彼と出会っていなければ、今の僕はあり得ないだろう。フランスに居た時も、帰国してからも、会ってはカメラや写真の、洋服や靴、お互いの夢のことなど、尽きる事無く話をした。お互いが少しずつ前進していくことについても、自分のことのように喜んだ。そしていつも、フランスで皆と一緒に過ごした時間のことを懐かしみながら繰り返し、繰り返し話した。


最後に会ったのは去年の夏で、いつもと変わらず昔話に花を咲かせ、一緒に銭湯に行き、買ったばかりのバイクのパーツ探しに夢中になり、新たに増えたメガネを自慢し、当時夢中になっていた料理グッズを嬉しそうに見せてくれた。


まだまだ話したい事、報告したいことも沢山あった。いつも僕は彼から与えてもらうばかりで、果たして僕はどれだけ彼に与える事ができたのだろうか。いつも人のことばかり考えて、人の喜ぶ顔を見るのが楽しみで、誰より仲間を大切に思う人だった。それ故にか、自分の気持ちを素直に伝える事ができない不器用さも持ち合わせていたように思う。そんな彼にとって、この世の中は過ごしにくかったのかもしれない。けれど少しは頼ってくれても良かったんじゃないか、兄さん。


彼のお兄さんと話しをしていて、彼が昔に"大晦日に死んだら、自分の誕生日が49日だ"と言っていたそうだ。彼がその言葉を覚えていたのか定かではなく、今となっては誰もその答は分からない。だが今回、それは現実となってしまった。


今回の件で、本当に沢山のことに気付かされた。そして二度とこんなことを繰り返してはいけない。


残された僕達は、兄さんの分まで強く生きよう。そして遠くから、いつもと変わらぬ優しい眼差しで僕たちのことを見守っていてほしい。いつになるかは分からないが、僕達がそっちに行って、再会できた時には何の話をしようか。まずは説教をするよ。でも、やっぱり笑いながら頷いているだけなんだろうな。そんな兄さんのことを、僕達はきっと忘れない。


どうか安らかに眠って下さい。心より、ご冥福をお祈り申し上げます。





04.12.10

早いもので帰国までもう1週間を切っている。そんな中、撮影も最後の追い込み。9割程終わっているので明日で撮り切れそう。滞在当初は展示関連の作業、カタログ作成、撮影場所の選定などに費やした。そしていざ撮影に取りかかろうとすると雨が続き、ついには雪が積もる。おおよそ12月中旬頃から急に冷え込み、雪が降るといった昨年、一昨年の経験による読みは外れ、結果として天候に悩まされることとなった。


今週始めにケルン、デュッセルドルフへ行って来た。デュッセルのカドリエンナーレに期待していたけれど、期待が大きすぎたのか不完全燃焼。ボイスの展示は良かったけれど、neue Dusseldorf fotografieは若手作家を紹介していると思っていたらグルスキー、ルフを始めとしたベッヒャー・シューレの作品が主でやや肩透かし。Shoreの作品はなかなか見応えがあったけれど、かつてハンブルグで観たのと同じイメージが多く、流して観る。グルスキーのナイアガラは、その巨大さが何だかギャグに思えてしまうほど大きかった。。あとベッヒャーの作品について、日本で観る作品は常にマットで押さえられている(疑似トリミング?)けれど、今回の展示ではドライマウント若しくはマウントコーナーに支えられた印画紙がむき出しで、その外にマットがあった。フィルムの黒縁が片側だけ焼かれていたりしていて、プリントに関しても几帳面なのだろうと想像していただけにちょっと驚いた。


今回訪れた展示ではケルンで観たJoachim Brohmの展示が一番良かった。一枚一枚のイメージは去ることながら、展示構成が上手く、会場を繰り返し何周も歩いたが、全く飽きることなく、非常に心地よい空間だった。


色々と他にも思うこと、書きたいことがあるけれどまとまらない。。少し落ち着いたら改めて書こうと思います。