廃墟になる一歩手前

近所にあるアパートの取り壊しが始まった。
散歩がてら通りかかったのでのぞいてみる。
襖も、扉も取っ払われ、床も剥がされているのに、生活感が漂う。
そこに人は居ないのに、家具も何も残っていないのに。


ある一室の玄関にはパンプスが残されていた。
別の一室には大きなクマのぬいぐるみが。


モノには魂が宿ると云う。